envy insomniac doze
やはり、このCDは斬らなくてはならないのか。
しばし葛藤があった。
ちなみに私の知人は、このCDを聞いて、
envyは終わった。と言いました。
ここで焦点となるのは、
君靴こそがenvyの原点であり最高点である、
という意見を持った純粋なリスナーとしての意見と、
進化し続けるenvyのサウンドを受け入れ、
これはこれでヤバすぎる程に音の世界が再現されている、と
肯定する意見の相違である。
確かに両者はどちらもどちらなのである。
俺は君靴至上主義の人間の気持ちはわかる。
かといって、最近のポストハードコア志向のサウンドのすごさも体感している。
どっちも好きだよ、と言えてしまえばどんなに楽だろう?
それじゃああまりにつまらない愚論なのである。
では具体的に音のレビューへ。
今回はdead sinking storyにさらに、
ポストロック志向が強くなっている。
あとは、音の世界観が一回り大きくなったような感じはする。
前回が、薄暗い風呂場のような世界だとしたら、
今回は星空の下を走るトラックのような世界である。
音はやさしく、しかし緊張感を保っている。
絶望感、みたいなものは薄れ、
もっと、精神世界と世界平和の間でもがいてるような感じがある。
しかし、今回は、このCDに僕をつなぎとめておく何かがない。
聞き終わって、聞き終わった!という達成感はあっても、
それを振り返った時に、何が残ったろう?という感じなのである。
確かに音はすばらしい。内容もちゃんとある。
しかし、これはなんなんだろう?
ちなみに、以前コンバージ来日のツアーで一緒に回っていたenvyを見たが、
内容的にはコンバージより勝っていた。
コンバージはPAが箱に慣れていなかったせいか、
音が一番後ろまで聞こえてこなかった。
特にギターの音が小さかった。
で、パフォーマンス的には、コンバージは存分にそのらしさを表現していたと思う。
彼等は、もっとローカルな感じのハードコアバンドであるはずなのである。
音源が先に走って、皆壮大なステージを音響を求めていたようだが、
本来の彼等のスタイル、態度としては、
地元のハコでやるようにとにかくいつもどおり大暴れする、というのがモットーなんだろう。
envyは確実にライブはすごいと思う。
あれだけできるバンドは日本に他にいるのかな?
評価額:1500円