envy insomniac doze

xtremer2007-02-26


やはり、このCDは斬らなくてはならないのか。

しばし葛藤があった。

ちなみに私の知人は、このCDを聞いて、
envyは終わった。と言いました。

ここで焦点となるのは、

君靴こそがenvyの原点であり最高点である、
という意見を持った純粋なリスナーとしての意見と、
進化し続けるenvyのサウンドを受け入れ、
これはこれでヤバすぎる程に音の世界が再現されている、と
肯定する意見の相違である。

確かに両者はどちらもどちらなのである。

俺は君靴至上主義の人間の気持ちはわかる。

かといって、最近のポストハードコア志向のサウンドのすごさも体感している。

どっちも好きだよ、と言えてしまえばどんなに楽だろう?

それじゃああまりにつまらない愚論なのである。


では具体的に音のレビューへ。



今回はdead sinking storyにさらに、
ポストロック志向が強くなっている。

あとは、音の世界観が一回り大きくなったような感じはする。

前回が、薄暗い風呂場のような世界だとしたら、
今回は星空の下を走るトラックのような世界である。


音はやさしく、しかし緊張感を保っている。

絶望感、みたいなものは薄れ、
もっと、精神世界と世界平和の間でもがいてるような感じがある。

しかし、今回は、このCDに僕をつなぎとめておく何かがない。
聞き終わって、聞き終わった!という達成感はあっても、
それを振り返った時に、何が残ったろう?という感じなのである。

確かに音はすばらしい。内容もちゃんとある。
しかし、これはなんなんだろう?


ちなみに、以前コンバージ来日のツアーで一緒に回っていたenvyを見たが、
内容的にはコンバージより勝っていた。
コンバージはPAが箱に慣れていなかったせいか、
音が一番後ろまで聞こえてこなかった。
特にギターの音が小さかった。

で、パフォーマンス的には、コンバージは存分にそのらしさを表現していたと思う。

彼等は、もっとローカルな感じのハードコアバンドであるはずなのである。
音源が先に走って、皆壮大なステージを音響を求めていたようだが、
本来の彼等のスタイル、態度としては、
地元のハコでやるようにとにかくいつもどおり大暴れする、というのがモットーなんだろう。


envyは確実にライブはすごいと思う。
あれだけできるバンドは日本に他にいるのかな?



評価額:1500円