無題
頭を抱えたまま 動けなくなって やがてくる時に 怯えて 欠けた月が昇るごとに 満ちてくる海 「自分だけは」と信じて 奮い立ち、進む 向かう先に待つ 巨大な壁 嘲る様に爪弾きにされる そしてここへと戻る もう後がない 岐路に立ち 諦めを迫る 人々 確かに、自分の中には 何もなくて そんなことはわかっていた だが、それが何だっていうの? どうして僕は笑われるのか? 1人ではどうしようもなくて だが人は所詮1人で 先を行けば影を踏まれ ついてゆけば罵られ 歴史の中に生きているのに 時代の為に箱に入れられ 数える度に数が違う 彼等は顔を上げない 頭を抱えたまま 動けなくなって やがてくる時に 怯えて 欠けた月が昇るごとに 満ちてくる海 仮面の向こうに素顔がある それがわかっていて なおも仮面をかぶせるの? それが本音だよと 共感したのに どうして僕を避ける? 時と共に我は生きゆく 空と共に我は消えゆく だけど悲しいよ 悲しいんだ