闇が降り立った大地
街の灯だけが、世界を照らして

にじみ出る恐怖と
嘶く、鳥の声
夜の海のざわめき
生まれゆく音

見放された僕は
照らされた道を行く

縮こまったいつもの姿
だが、今日はなぜか

心の中から
何かが温まってゆく

開いた瞳孔は
不思議と優しく
景色に触れた


その先には 何もない。
もはやわかっていた。

僕が今、見ているものは

照らされた道ではなく
あの岸の向こうでもなく

どこでもない

夢に逃げてなんかいない
僕の心の中でもない

どこでもない

なんとなく
仰いだ空は

→→→


→曇りきって

これが答えなのだろうと
僕に悟らせて
届かなかった伝えを
そこに隠して
更なる支配を
苦痛の歪みを

それでも
僕は 顔を上げる
報われぬ生涯を、もがき続けて

くじけるまで 負けるまで 殺されるまで

→晴れ渡って

あまりに広くて
僕はあまりにあらわで

自分の醜さを
天が常に見張る

張り巡らされた嘘は
透き通って 君を囲み
ひずんだ 視界
醸し出した ノイズ

落ちてきた 星が
この世でただ一つの 現実

たゆんだ時間
ほどけた半月