cockroach

xtremer2004-07-19

ついにこいつらをレビューする時が来た。

日本が誇るべきロックバンドだ。
アンダーグラウンドだからここまでやれた、
いや、これはアンダーグラウンドでしか成し得ない芸術の一つの形。

僕が邦楽バンドの中でなんだかんだ言って、
一番皆に聴いて欲しいのがこのcockroach。
あらゆる意味で素晴らしい。

圧倒的なオリジナリティー、世界観がダントツで凄い。
ここまで辿り着けるバンド、音楽家なんてそうはいない。
誰かと比べるだけ無駄。これこそが唯一無二。

異世界のようでこの浮世、幻聴のようで作為的な音。
自分の中には存在しなかった新しい感情、感覚が覚醒される。

それでも、ちゃんとしたバンドサウンドだからそっぽ向くなよ。
ここから逃げたら最後、それは大きなミスだ。

洗練された歌詞。もちろん日本語。
半端じゃないインスピレーション、ボーカルは只者ではない。
だが鬼才ではない。考え抜いて生まれた詞なのは読めばわかる。

ギター、ベース、ドラムそしてボーカル、
それぞれの個性が、主張が、繊維のように重なって紡がれて、
芸術となる。たぶん他のCDを聴いてもこれは実感しづらいだろう。
彼等を表現するには上の一言、これに尽きる。
そこにcockroachの世界観が流し込まれたのだ。

抽象的な説明ばかりだから、少し具体的に話そう。
というか、本当に薦めたいCDは自ずとそういった文体になってしまう。
これは自分が、表面の音から、一歩踏み込んだ位置に立っているからで、
もはや音の奥の何かを伝えようとしているからなんだと思う。

サウンドは暗い。だが暗いまま終わらない。だから時に叫ぶ。
気持ち悪いけどカッコいい。聴くものに有無を言わせない圧倒的な迫力。
音はラウド。これはロックであり、そもそもは音楽である。

そして曲の展開が素晴らしい。
どの曲も一筋縄じゃあ終わらない。
音楽の起承転結を心得た優れたセンスが溢れている。

ライブも凄い。
ベースとボーカルが特に凄まじい。
「命」そのものをぶつけられているような…
鳥肌が止まらない。マジで。遠征の価値あり。

まず、「虫の夢死と無死の虫」を聴きましょう。
そして、「赤き生命欲」を聴きましょう。

どっちもいいが、順を追った方が馴染み易いと思う。

評価額:二枚で12000円